
vol.453(発行日: 2025年2月25日)
キラキラ輝く校友にインタビュー!!
今回ご登場いただくのは、大阪工業大学の卒業生で、
小野薬品工業に勤務する田名後依里さんです。
現在の仕事について、また大学時代の恩師との思い出や今後の目標などをうかがいました。
大学で得た幅広い学びを活かし
安全で安心な医薬品を届けたい
大阪工業大学 工学部 生命工学科
2017年3月卒業
田名後 依里
さん
(たなご えり)

現在の仕事について教えてください。
小野薬品工業(以下:小野薬品)本社の製品品質保証部で、医薬品の市場への出荷対応や製造工場の管理監督などを担当しています。異動で本社勤務となり1年半。ようやく環境にも慣れ、落ち着いて仕事に取り組めるようになりました。
入社して5年半は、静岡県にあるフジヤマ工場の品質試験一課で勤務しました。工場で作られた医薬品の品質に問題がないかを試薬や分析装置を使って検査する部署で、学生のころから実験が好きだった私にとってやりがいのある仕事でした。経験を積む中で、もう少し広い視野で医薬品に携わりたいという思いが芽生え、社内公募制度を活用。キャリアアップを目指して、自ら異動を希望したのが今の部署です。デスクワークが中心となり、新鮮な気持ちで毎日仕事と向き合っています。
いつも大事にしているのは、患者さんの視点に立って考えること。医薬品を製造するプロセスでは、難しい判断を求められる場面も多いのですが、お薬を服用される患者さんのことを念頭に置いて考察するように心がけています。

小野薬品に就職したきっかけは何ですか。
ひと言で言うと、直感です。最初の出会いは、大学3年の冬に学内で開催された業界・企業説明会でした。学生に向けてスピーチを行う企業の一覧に小野薬品の名があり、聞いたことがある会社名だしと、軽い気持ちで説明を聞きに行きました。すると、こんなに人の話が自分の中に入ってくることがあるのかと驚くほど、登壇した社員の言葉すべてに共感できました。特に心を揺さぶられたのは「病気と苦痛に対する人間の闘いのために」という企業理念。病を抱える人に寄り添い、その苦しみを取り除きたいという、企業の追求する目的が明確で、それを聞いた時にビビッときました。実は父も大阪工大短期大学部の卒業生で、今は機械関連の仕事をしているのですが、モノづくりに携わっている点では私と共通しています。おのずと父から影響を受けていたのかもしれません。
大学での学業のこと、また恩師との思い出について教えてください
幼いころから生物や人間の身体の不思議に興味があり、何かを研究する仕事に就きたいと思っていました。高校の生物の授業が好きで、この分野をもっと勉強できれば良いなと考えていた時に、予備校で偶然見つけたのが大阪工大のパンフレット。それを読んでいると生命工学科に目が留まり、生命科学だけでなく再生医療などのモノづくりについても広く学べる点に魅力を感じて進学を希望しました。
学業以外に熱中したことはありますか。
ウインドアンサンブルです。中学・高校と吹奏楽部だったのですが、大学1年の時はアルバイトや遊びに充てる時間が欲しくて、少し距離を置くことにしたんです。でもやっぱり楽器が恋しくなって、大学2年の時に途中入部しました。部員のみんなが温かく迎え入れてくれて嬉しかったです。私の担当はトランペット。夏のコンクール、地域のイベント、学園祭のステージなどを経験する中で、チームワークの大切さを学びました。また、他学科や他学年との交流も生まれ、より充実した学生生活を送ることができました。
大学時代を振り返ると、研究室での楽しかった日々も頭に浮かびます。研究室ごとにいろんなカラーがあって、私の研究室には真面目な人が多かったですね。卒業論文作成のラストスパートの時期は、みんなで団結して乗り越えようと、鼓舞しあいながら大変な毎日を駆け抜けました。

今後の夢や目標を教えてください
当社は、世界中の患者さんに独創的で革新的な医薬品をお届けし続け、人々の健康に貢献する「グローバルスペシャリティファーマ」を目指しています。海外展開を本格化する中で、私が所属する製品品質保証部もグローバルな視点が求められるようになりました。今後は日本の医薬品に関する法令だけでなく、アメリカやヨーロッパ諸国などの法令についても勉強し、情報収集に努めたいと考えています。それに伴う語学力のアップも大きな課題。まずは英語で日常会話がスムーズにできるようになることが目標です。これからは海外の会社とのやり取りや出張も増えていきそうで不安もありますが、それ以上にワクワクしています。
