校友ハツラツ女子

vol.448(発行日: 2022年8月5日)

キラキラ輝く女性校友にインタビュー!!
今回は、常翔学園高等学校の卒業生で、
JR西日本に勤務する古賀美果子さんにご登場いただきます。
懐かしい母校で、高校時代の思い出や現在の仕事、将来の夢などについてうかがいました。

常翔学園高等学校 普通科(文理進学コ-ス) 2014年3月卒業

古賀 美果子

さん

(こが みかこ)

2018年に梅花女子大学食文化学科を卒業後、西日本旅客鉄道株式会社に入社。駅係員の仕事を3年間担当し、2021年より車掌として京橋車掌区に勤務。大学時代は箕面市青少年吹奏楽団に所属し、トランペット奏者として活躍。

現在の仕事について教えてください。

西日本旅客鉄道株式会社で車掌をしています。現在は大阪環状線やおおさか東線、JR学研都市線などに乗務。車掌の仕事は、列車の発着時におけるホームの安全確認とドアの開閉、車内放送、車内巡回、お客様対応など、多岐にわたります。いつもきめ細やかなサービスを心がけ、お客様を安全・快適に目的地までお運びすることが、私に課せられた重要な役割。車掌になってまだ1年半とキャリアが浅く、不慣れなことも多いのですが、先輩たちの姿勢に学び、心優しい同期たちに支えられながら経験を積んでいます。やりがいを持って日々の業務に取り組む中で、励みになっているのは、お子様たちとの触れ合い。制服姿の私を見て「かっこいいね」と声をかけてくれたり、ホームから手を振ってくれることがあるんです。お礼の気持ちを込めて、車掌カバンに常備している電車シールを手渡すと、「ありがとう」と笑顔を返してくれ、とても元気をもらいます。電車や車掌の仕事に興味を持ってくれていることをうれしく思うと同時に、お子様たちの憧れの職業に就けている自分を誇らしく感じ、仕事への意欲が高まります。

西日本旅客鉄道株式会社に入社したきっかけは何ですか。

実家の目の前が線路で、電車のある風景が当たり前という環境で育ったこともあり、幼い頃から電車が好きでした。でも、当時から車掌になりたいと思っていたわけではなく、大学4年生までは常翔学園高校の家庭科教員になろうと決めていました。高校時代に出会った先生方に、大変親切にしていただいたことで母校への愛情が深まり、「絶対に常翔学園高校へ戻りたい」という気持ちが強かったからです。ただ、これもすぐに決まった訳ではなく、教員を選ぶとしても得意な教科はないし…と、将来についてあれこれ思い悩み、卒業後の進路がなかなか決められませんでした。そんなとき、私の背中を押してくださったのが、2・3年生の時の担任の先生です。「迷うなら、ひとまず大学に行きなさい」とアドバイスをいただき、料理好きな一面も活かそうと、教員免許と調理師免許が取得できる梅花女子大学食文化学科に進学しました。大学時代はひたむきに目標と向き合い、寸暇を惜しんで学業に励みました。ところが、教育実習と就活面接が重なる4年生の6月に、頑なだった夢への思いが揺らぎ始めました。新卒での一般企業への就職は、人生の中で今しか経験できないこと。本当に教員の道を選択して後悔はないのだろうかと。友達に相談すると「あなたが本当に好きなことは何?」と問われ、頭に浮かんだのが電車でした。教員には再チャレンジもできるし、一度は広い視野で社会を見た方が自分にとってプラスになると考え、西日本旅客鉄道株式会社に応募し、無事入社することになりました。

吹奏楽部顧問の上野先生と共に

どのような高校時代を過ごしましたか。

吹奏楽部に入部して、人生で初めてトランペットを手にし、みんなの足を引っ張らないようにと必死に努力を重ねていました。毎朝6時過ぎには登校して朝練前のウォーミングアップを始め、夕方の部活動が終わってからも自主練習に取り組んでいたので、12時間は学校にいる毎日。日曜日も休まず、部活一色の3年間を過ごしました。まじめで不器用な性格なので、こうと決めたらまっしぐら。自分で自分を追い込みすぎて疲れてしまうこともあったのですが、心根の優しい仲間たちに幾度となく救われ、辛さを乗り越えることができました。すばらしい演奏ができた時の感動も、吹奏楽を続ける原動力になっていたと思います。また、私が3年生の時に顧問に就任された上野洋平先生の存在も大きかったです。〝褒めて伸ばす〟ご指導のおかげで、わずか半年で自分でも驚くほどトランペットの腕が上達。部の雰囲気も変わり、高校最後の大阪府吹奏楽コンクール北地区大会で初めて金賞を受賞し、府大会にも出場することができました。努力は決して無駄にはならないこと、一人ではできないこともみんなで力を合わせれば成し遂げられること、仲間には常に感謝の気持ちを持つことなど、部活動から得た学びは、私の礎となっています。

学業に対してはどのように取り組んでいましたか。

部活動と同様に、勉強もコツコツとまじめにがんばっていました。例えばテスト勉強では、山を張らずに一からすべて頭に叩き込まないと安心できないタイプ。しんどくて弱音を吐きそうになっても、みんなは私以上にしんどいことをやっているはずだと思い、手を抜くことができませんでした。とりわけ、中学時代から苦手だった教科が英語でした。「克服したい」と英語の先生に相談したところ、「毎日、3行の英語日記を綴ってみては?」と勧められ、1年間ほど先生と交換日記をしたことも。私の学びたい気持ちに応えてくださる先生方に出会えたことで、前向きに学業に取り組むことができました。折に触れて先生方が投げかけてくださった言葉は、今も私の胸に深く刻まれています。なかでも、上野先生が口癖のように言われていた「あせらずゆっくりこつこつと」は、壁にぶつかるたびに思い出す言葉。私の座右の銘と言えるかもしれません。

これからの目標や夢を教えてください。

将来は新幹線の運転士になりたいと思っています。夢を叶えるには、車掌業務以外にも幅広く経験を積み重ねなければなりませんし、知識習得のための勉強も必要です。その道のりは長く険しいかもしれませんが、強い信念を持って挑戦していきます。

もしも今、常翔学園高等学校で家庭科の教員をしていたら?

毎日、授業のことで頭がいっぱいになっているのではないでしょうか(笑)。理想像としては、生徒たちの悩みや不安に寄り添い、親身になって相談に乗ってあげられる先生なのですが…。常翔学園高等学校の生徒たちに向けて、先輩としてメッセージを送るなら2つあります。ひとつは、友達やそばにいてくれる人を大事にしてほしいということ。もうひとつは、今は自分の夢や将来が具体的に描けなくても、無理やり決める必要はないということ。上野先生の言葉の通り、焦らなくても、人生はなんとかなるのですから。

こぼれ話・・・

吹奏楽部の仲間たちとは、今も時々集まって近況報告をするという古賀さん。大阪府の北地区大会で金賞を受賞した裏には、実はこんなエピソードもあったと教えてくれました。「大会当日の朝、部室の掃除をしてから会場入りしようとメンバーに提案すると、みんなそれに乗ってくれ、練習より掃除を優先したら、肩の力が抜けて思いがけず金賞が取れたんですよ。吹奏楽は技術力だけではなく、心のゆとりや人の輪が大事なのだということを学びました」。