校友ハツラツ女子

vol.447(発行日: 2022年3月5日)

キラキラ輝く女性校友をインタビュー!!
今回登場するのは、大阪工業大学情報科学部を卒業され、
富士フイルムビジネスイノベーションジャパン株式会社のシステムエンジニアリング統括部で
活躍されている『リケジョ』さん。
システマチックな生き方の原点から現在のお仕事まで広く語っていただきました。

大阪工業大学 情報科学部 情報システム学科 2006年3月卒業

奥内 絵美

さん

(おくうち えみ)

大阪工業大学情報科学部を卒業後、富士フイルムビジネスイノベーションジャパン株式会社(旧富士ゼロックス)に入社、現在はシステムエンジニアリング統括部 西日本第一技術部に所属され、多岐にわたる企業へ業務効率等のソリューション提案を行うプロジェクトリーダーとしての役割を担う。

大阪工業大学情報科学部へ入学した理由を教えてください。

高校生の頃、一般に普及し始めたパソコンが自分自身でも得意だと感じていました。今後、パソコンを使った仕事が増えるだろうな、パソコンができれば就職にも有利になるかなと思い地元の関西で情報システムが学べる大学を探しました。当時、情報システム関係の学科を設置している大学が3校ほどあったのですが、その中でもカリキュラムの選択肢が広く、しっかりとした就職実績があるという大きな理由と、当時は少なかった理系女子を育成するため、女子受験生を優遇する制度を入試で取り入れていたこともあり、大阪工業大学情報科学部を選びました。

どんな大学時代を過ごされましたか?

当時の枚方キャンパスは今にも増して周辺に何もなく…。唯一の娯楽施設はボウリング場で、ハンバーガーを40個、80個と買い込んで、ゼミのみんなで集まりワイワイ過ごしたりしていました。当時は学科が3つで学生も少なかったこともあり、広いキャンパスをゆったり使っていましたね。私は椎原正次先生のゼミを選びましたが、その理由はプログラミングを追求するゼミが多いなか、なぜそのソフトウェアやプログラムが必要なのか、それを活用した結果、どう効率化できるのかといった、システムの周辺環境や影響を考えた広い視点について学ぶことができるからでした。私自身、情報メディア学科など他学科の講義でも、今後何かに生かせるのではと思ったものや、将来性がありそうだと感じた科目を選んで受講していましたので、椎原先生のゼミは私の志向にとても合っていたと思います。また、学部全体において女性の割合は少なかったので、女性同士は自然と仲良くなりました。友人のいるゼミにお邪魔することも多く、プラズマTVと液晶画面の違いを実証する〝実験台〟を頼まれたりと、とても楽しかったです。

現在、情報システム学科長を務められている恩師の椎原先生と共に

就職活動はどのようにされましたか?

椎原先生から、SEを募集している良い会社があると勧めていただいたのが当社でした。当時の私は富士ゼロックスを知らず、ゼミ室のコピー機で日々お世話になっていたことに、その時初めて気づいたくらいです(笑)。調べてみるといろんなことにチャレンジさせてくれそうな会社であることがわかり、すぐに就職部に行きました。企業ごとに分類された面接資料に富士ゼロックスはなかったため、代わりに同業他社の情報をたくさん調べてシミュレーションしました。こうした企業情報がきちんと管理され、学生がいつでも見ることができる仕組みを持っているのも、大阪工大が就職に強い理由なのだと、その時改めて実感しました。私は他の学生よりも就職部をフルに活用していたと思います。そのため、職員の方とも顔馴染みになり「就職できたらお祝いしてよ~」とねだって就職試験に臨みました。内定をいただいた報告に行くと、家族のように喜んでくれました。

現在のお仕事を教えてください。

営業職と一緒にさまざまな企業へ業務改善や効率化に関する提案をしています。いわゆる『表に出るSE』ですね。製造業においては、図面や設計図などのQRコード等を用いた登録作業や分類、検索時に利用するキーワードの設定。そして、情報が必要な際にはスムーズに出力できるといった文書管理をメインに、そのシステムが製造ラインと連動して作業の効率アップが図れる仕組みづくりを提案し、必要に応じて個別開発の設計も行います。製薬会社や医療系の会社になると、さらにデータの不正・改ざん防止の仕組みや、正規の書類であることを証明するためのシステムなども必要になってきます。企業がPRやイベント活動を行う際には、中吊り広告や看板に必要となるデータもあるので、そうした場合はグラフィックコミュニケーション部門に照会し、プロモーション事業を見据えたシステム構築が必要となります。広い視野で企業の要望を捉え、期待以上のものを提案し、導入に結びつけるのが今の私の仕事です。

(上)2017年(左下)2010年(右下)2011年における社内でのSE部門コンテスト入賞者との旅行にて

お仕事でやりがいを感じるのはどんな時ですか?

社内の他部門のメンバーと共同で立ち上げたプロジェクトで、私が文書管理システムを担当し、その他のメンバーがそれぞれのソフトウェアの設計・構築を行って連携させたシステムを、新規で導入していただく機会がありました。最初の導入時ももちろんですが、そのお客様の各支店にシステムが導入され、日本全国に広がっていったのをお聞きしたときには大きなやりがいを感じました。また、数年前、広島の企業様に出向いて、システムの入れ替えを行うプロジェクトがあったのですが、他社からの乗り換えなので難しい案件となりました。他社が組んだプログラムのソースを読み解き、同じように動くプログラムを急遽開発するといった想定外のイレギュラーにも対応しながら、要望通りに短期間でシステムの入れ替えが実現できた時は達成感がありましたね。

今後の目標を教えてください。

現在、当社の社長は大阪工大出身で、また元々現場でSEをしていました。私は後輩ということもあって気軽に話しかけていただくこともあり、仕事への取り組み方などについて、感化されることも多くあります。そんな期待(?)に応えるためにも、新しい価値を創り、ライバルに勝てる企業になるためにチャレンジしていかないといけないと思っています。近年はペーパーレス化や在宅ワーク、オンラインにおけるシステム対応、電子印の活用など、時代がどんどん進化しています。富士ゼロックス時代に培った複合機のスペシャリストとしての強みも活用しながら、システムを変革し、その企業にカスタマイズされた一気通貫の情報システムを構築することで、プラスの価値を生み出していくことができると考えています。壮大なお話のようですが、ヒントはいつもお客様にあります。なんでも気軽に相談していただける関係性をお客様と築く中で、ちょっとした不満や改善要望を見つけ、それをシステムに組み込むことでプラスαの価値が生み出せます。プログラムを組むだけでなく、周辺の環境や影響を想定して効率化を図るといった学生時代に教わったことが今の仕事に繋がっています。選んだ道は間違ってなかったと実感できることに感謝し、会社に貢献できる人材となれるよう努めていきます。

こぼれ話・・・

お話される内容は『リケジョ』らしく、とても理路整然としているのに、大阪人ならではのテンポ良く小気味良いお話ぶりと親しみやすくチャーミングな笑顔が魅力的な奥内さん。エンジニアでありながら営業も任される『デキるオンナ』のスタイルを垣間見ることができました!